IQ 用語辞典
知能指数(IQ)、認知心理学、脳科学、および心理統計学を正しく理解するための専門用語事典。
臨床心理学や数理統計学などの学術エビデンスに基づき、各用語のメカニズムを2,000文字以上で詳細に解説します。

心的回転(メンタルローテーション)
二次元または三次元の図形イメージを、脳内の仮想的な空間キャンバス上で能動的に回転させて形状を判定する認知プロセス。空間推理力(VSI)のコア能力です。




一般知能因子(g因子)
あらゆる知的活動や知能検査に共通して作用する、根源的な「地頭の良さ」のベースライン。シャルル・スピアマンによって統計的に導き出されました。

ウェクスラー成人知能検査 (WAIS-IV)
世界最高峰の信頼性を誇る成人向け(16歳〜90歳)の個別式知能評価検査。4つの主要指標から臨床レベルで総合IQを多角的に算定します。


脳の可塑性(ニューロプラスティシティ)
経験、学習、環境刺激、あるいはトレーニングによって、脳の神経ネットワークが物理的につなぎ替わり、構造的・機能的に変化する性質。


ダニング=クルーガー効果
能力の低い人が自身の能力を過大評価し、逆に高い実力を持つ人が自身の能力を過小評価してしまう認知バイアス。


標準偏差(SD15・SD24)
知能テストのスコア分布における「データのばらつき」を示す統計値。受検者が混乱しやすいSD15とSD24の絶対的違いを解説。

多重知能理論(MI理論)
ハワード・ガードナーが提唱した、人間の知能は単一のIQスコア(g因子)だけでは測れず、独立した8つの異なる知性から構成されているとする多面的な知能モデル。



FSIQ(全検査知能指数)
知能検査(ウェクスラー式など)において、複数の認知特性(言語理解、知覚推理、作業記憶、処理速度)の小テスト結果を統計的に合成して算出される「総合的な知能指数(総合IQ)」。

Mensa(メンサ)
1946年に創設された、世界最大の高知能団体。入会基準は全人口の上位2%にあたる知能指数(標準偏差SD15においてIQ 131以上)に達していることのみ。

2E / Twice-Exceptional(二重に特別な認知特性)
生得的な知的ギフテッド(突出した認知強み)と、発達障害(ADHD、ASD、学習障害などの処理弱み)という二つの非定型スペックを同じ脳内に二重(Twice)に併せ持つ認知プロファイル。

認知予備能(コグニティブ・リザーブ)
加齢やアルツハイマー病などの脳生理学的なダメージ・萎縮に対抗し、脳が代替の神経接続経路(シナプス網)を動的動員して「知的能力の低下を水際で防ぐバッファ能力」。

VCI(言語理解指標)
ウェクスラー式知能検査(WAIS-IVなど)における4大主要指標の一つ。言葉をベースとした概念把握力、長期記憶に蓄積された語彙・知識、言語的推論力といった「結晶性知能」を精密に評価する指標。
